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 今、思うこと

2011-03-31

大変ご無沙汰しています。「愛と青春の宝塚」名古屋公演の前楽、大千秋楽を観劇して東京に帰って来ました。先日更新されたブログでも書かれている通りこの作品は坂元健児さんにとって特別な作品になったようです。それは私も同じ思いです。恐らく皆さんも同じ気持ちではないでしょうか。
昨年の6月に再演が発表され坂元さんの出演が決まってから、きっとこの作品は特別な作品になるという確信がありました。けれどそれは速水さんのように信念を貫くキャラクターが好きだから、それを坂元さんが演じるとなればハマらない訳はない。といった単純な理由からでした。まさか未曾有の災害が起こり、エンターテイメントのあり方を問われることになるなんて思いもしませんでした。

「愛と青春の宝塚」の舞台はタカラジェンヌの生き様や、戦争という過酷な状況の中でも懸命に生きた人たちを描いています。今回改めてじっくり観て、戦争とエンターテイメント=非常時のエンターテイメントの在り方が問われているのではないかということを強く感じました。

東京公演が千秋楽を迎えた2月27日の時点で一度は、非常時でもエンターテイメント(この場合は演劇、ミュージカル等の舞台公演を指します)は必要だという結論に至りました。

しかし全国ツアー中の3月11日、東日本にかつてない規模の地震が襲いました。大勢の人が亡くなり今も不便な生活を強いられている方々が大勢います。

東京在住の我が家は特に被害もなく済みましたが、宮城県気仙沼市に住んでいる伯父は今現在もガスの届かない生活です。またおばさんの妹夫婦の自宅は津波で流されてしまい、伯父の家に避難して生活をしています。とにかく命だけは無事だったことが不幸中の幸いではありますが、やはり電話で直接被害の状況や生活の大変さを聞いてしまうととても他人事とは思えません。

岩手県に住む母の兄夫婦は、震災後、自宅が停電しているにも係わらずライフラインが全滅した気仙沼に毎日炊き出しに行ったり、自宅のお風呂を開放したりしています。母もお金や支援物資を送っています。

実は今回は本当に名古屋での大千秋楽を観に行くべきかもの凄く悩みました。身近に大変な思いをしている人たちがいて、母も出来る限りのことをしている。それに今回のことで母は、毎日元気がなく落ち着かず、情緒不安定になっていました。
また関東でも時々余震があり、今この時期に旅行だなんてさらに心配をかけるのではないかと、それが一番最後まで心に引っ掛かっていました。
正直、そこまでして観なければいけないものなのか?と何度も何度も自問自答する日々でした。ホテルの予約の関係で公演の1週間前のギリギリまで悩みました。

それでも観に行く決心をしたのは、この非常時だからこそ「愛と青春の宝塚」を観ることに大きな意味があるんじゃないかとそう思ったからです。
この舞台は戦時中、一生懸命生き抜いた人たちの物語です。戦争と災害の違いはあっても、今の日本がおかれた状況と非常にリンクする部分があります。平和でのほほんと暮らしていたひと月前とは違い、被災はしていなくても災害に心を痛め原発の恐怖に不安な毎日を送っている今だからこそ、きっと見えてくるものがあるはずだと思ったんです。他の作品だったらきっと諦めたことでしょうけど、今この時期にこの舞台が再演されたことがただの偶然とは思えず、必然というのか何かに導かれているようなそんな気さえしたんです。
そしてもう一つは、非常時にエンターテイメントは本当に必要なのか、今、まさにそのことを問われているのではないかと思い、もう一度その答えを見つけたいという思いからでした。

いよいよ出発の日、いつもの遠征のように浮かれた気持ちはなく、その一方、名古屋では計画停電もないし、あまりテレビも見なかったので、東日本の地震や原発、停電などが不思議と遠い国で起こっていることのように感じました。

今回は26日の前楽(星チーム楽)と27日の大千秋楽(月チーム楽)を観ました。両日とも真琴さん(26日)とわたるさん(27日)がロビーで募金箱を持ち募金を呼びかけていたので、ついつい奮発して募金しました(といっても小銭ですが)。憧れのスターさんに握手をしてもらいメロメロ(笑)でした。

公演の話はまた別に書くので、今回は簡単にですがカーテンコールのお話です。

大千秋楽ではメインキャスト7人とアンサンブルを代表して高橋さんの挨拶がありました。通常のカテコで一人ずつ出てきてお辞儀をしてから他のキャストを迎えている時から、おでこや口許を触っていて落ち着きがなく、いつもの坂元さんじゃない気がしていました。
ただこの時はいろいろあった公演で終わるのがちょっと寂しいのかなくらいにか思いませんでした。通常カテコが終わりショーもいつも通りにかっこよく二回転宙返りを決めて拍手をもらっていました。特別カテコが始まり、やっぱりいつもと様子が違うと思いましたが、その訳は挨拶の時にわかりました。

松下くんの次に坂元さんの番になり、先日亡くなられた小林アトムさんのことから話し始めました。小林アトムさんという先輩が東京公演の千秋楽の翌日に亡くなったこと、初演に出演されていたこと、自分が演じている速水中尉が戦死したことを告げるラジオの声をやっていて最後に声だけでも共演出来て嬉しかったこと、そして大変な災害が起きてこんな時に舞台に立っていいのだろうかともの凄く葛藤したこと、でも結局自分には舞台に立つことしか出来ないと思い舞台を最後まで全うしようと決めたことを泣きながら語りました。

アトムさんの話では、我慢し切れずに途中涙声になってしまって聞き取り辛い部分があったり、感極まり何度も言葉に詰まってしまい、なかなか次の言葉が出てこなかったりしていました。それでも一生懸命にゆっくりと一言一言話す姿に、会場のお客さんもじっと坂元さんの言葉に耳を傾けていました。次の言葉が出るまで10秒以上空いてしまった時でも、お客さんの無言で見守る温かさを感じました。本当は数秒だったのかも知れないけど私にはすごく間が長く感じられました。もう坂元さんの挨拶の最初から私は泣きっぱなしだったのですが、それでも「坂元さん頑張れ!」と祈るような気持ちで観ていました。

全て話し終えると一呼吸おいて、「最後に一言だけ言わせてください」と断り、「日本人は勤勉です。必ず世界が驚くような復興を遂げます!」と劇中の速水中尉のセリフで締め括っていました。それに劇中では「復興を遂げるはずです」というセリフなのですが、「復興を遂げます」と言い切っていました。しかも劇中よりももっと力強い口調で言っていて余計に涙が止まらなくなってしまいました。

坂元さんのこの挨拶、結構私にはショックでした。アトムさんが亡くなってショックなのは想像していましたけど、地震が起きて舞台に立つべきなのかと、もの凄い葛藤があったこと、そしてその辛い思いや葛藤を抱えたまま残りの舞台に立ち続けたこと、こちらが考えている以上に心を痛め、それでも必死の覚悟を持って舞台に立っていたんだと思うと、そこまで思いが至らなかった自分にとても苛立ちました。

他のキャストの皆さんも、地震が起きて、物語やセリフがリンクしてしまい(松下くん:こんな時だからこそ人は素敵な夢が見たい、かなみさん:人がいっぱい死んでるのに歌ったり踊ったりなんか出来ないなど)、演じるのが辛かったことや舞台に立つことへの葛藤がかなりあったと話されていました。セリフの一つ一つがとてもリアルで、どうしても今の日本の状況と結びついてしまい、観ていて辛くもありました。演じている方たちは、尚更辛かったことでしょう。

こちらが観に行くことへの葛藤を抱えていたなら、演じる側のキャストやそれを支える製作側のスタッフは、私たちの何十倍も舞台をやるべきなのかと悩んだのは当然ですよね。エンターテイメントは自粛ムードの中、物語がリンクしているだけに、上演の決断には勇気がいることだったと思います。あらためて公演を行ってくれたことに感謝しています。

今回あらためて観て、やっぱりエンターテイメント(舞台)は必要だと思いました。確かに今現在、被災している人は舞台どころではないかも知れない。けど衣食住が元通りになった時、その次に求めるのは心の豊かさだと思う。生活や仕事が全て元通りになった時に、この世の中からエンターテイメントが消えていたとしたら、果たしてそれは本当の意味で復興したと言えるのだろうか?演劇に限らず、映画やお笑いなど家族と毎日平和に暮らしていた時に楽しんでいたものが、元のように楽しめるようになることが完全に復興したということなんじゃないかと、私はそう思います。

だから私は、被災した人たちが生活が元通りになってまた好きなエンターテイメントを楽しめる日々が来るように、この灯りを消したくはありません。舞台を造っている人たちや製作会社の人たちにも、上演できるのに安易に自粛しないで欲しい。舞台を上演すること、そしてそれを観に行くことが不謹慎だというならそう言われたって構わない。不謹慎と言われるのを恐れて自粛するより、文句を言われても観劇して経済を回し、何かを生み出すことの方が何倍もプラスになるはずだから。

この間、被災者の方がインタビューでこんなことを言っていた。「被災していない人は、被災者に同情して楽しいことをしたり、おいしいものを食べたりすることに罪悪感を感じないで欲しい。そんなことを妬んだりする程、私たちの心は狭くありませんし、私たちもすぐに追いつきますから。」

この言葉が凄く嬉しかった。やっぱり観ると決心しても心の底では罪悪感を感じてしまうんだよね。この言葉で少しだけ心が軽くなりました。

最後に、家族に心配をかけてまで観に行った名古屋公演だけど、今はやっぱり観ることが出来て良かったと思っています。速水中尉の言葉に背中を押され、復興を信じようと思えたし、ラストの焼け野原でモンペ姿で力強く踊るタカラジェンヌの姿に勇気を貰いました。今自分が出来る精一杯のことをしようと決心しました。

そして私はこの「愛と青春の宝塚」を、必死の覚悟で舞台に臨んだキャストやスタッフが伝えたメッセージを絶対に忘れません。いつか日本が完全に復興した時に、また観たいとそう願っています。
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tag : 坂元健児 愛と青春の宝塚

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名古屋千秋楽

こんばんは。
東北のご親戚の方、大変でしたね。。でもご無事で何よりでした。

名古屋千秋楽、私も土日と行ってきました!
同じように、ちょうど1週間前までは行くことをものすごく悩みました。
罪悪感みたいなものが一番大きかったのかもしれないです。
でも、やはりこの時この作品を観ておいて本当に良かったですよね。
坂元さん同様、忘れられない作品になりました。
色んな思いがめぐって、涙が出て仕方なかったです。
そして、東京のときよりさらに素敵な速水さん像が出来上がっていたように思いました。
DVDが出ないのが未だ諦められないというか、信じたくないです・・・。(T-T)

カーテンコールの坂元さんには本当に感動させられましたね。
一生懸命に言葉を絞りだし、そして最後の力強い一言・・・。
言葉が出てくるのを待つ客席の雰囲気も、本当に優しい雰囲気したよね。
空気ってこんなにもわかるものなんだなぁ、とびっくりしたほどです。

次はコンサートですね!
一生懸命歌って下さるであろう坂元さんに元気をもらいに行きましょう!(^-^)
そして元気をもらった後は、その元気を、被災地の方のためにできることを考え行動する糧にしたいですね♪

大千秋楽

hanaさん、こんばんは。

愛青の前楽&大千秋楽、とってもいい舞台でしたね。東京で観た時よりも、優しさと力強さのメリハリがついた速水さんだったように感じました。甲板でのダンスも驚くほど、軽やかで上手になっていましたよね。これまではダンスシーンで泣くことなんてなかったのに、お互いを心から愛して楽しそうにダンスしている二人を見ていたらどうしようもなく涙が溢れて来ました。

本当にDVDは出ないのでしょうか・・・。諦めきれないですね。せめてダイジェストやCDでもいいから出して欲しいな(最後までしつこくDVD化希望とアンケートに書き続けた往生際の悪い私)。

カーテンコールは役者さんたちの苦労や葛藤が伝わってきましたね。「日本は必ず復興します!!」速水さんのこの言葉をこれから先胸に刻んでいきたいと思います。

一人ひとりが出来ることは小さいかもしれないけど、貰った元気や勇気を支える力に変えて自分に出来ることをやっていこうと思います。

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坂元健児さん舞台出演情報
「ONE-HEART MUSICAL FESTIVAL 2014夏」

ミュージカルガラコンサート出演

【公演期間】8/16~27(坂元さんは全日程出演) 

シアタークリエ 

【公式サイト】http://www.tohostage.com/festival/
プロフィール

kanoko

Author:kanoko
関東在住の30代。高校生の頃から舞台を観始め観劇歴は20年くらい。

ミュージカルの舞台観劇が趣味で、坂元健児さんが大好きです。
地方公演にも出来るだけ観に行きます。
最近は、劇団四季の、「ライオンキング」現シンバ役の田中彰孝さんもお気に入り、友石多津弥(竜也)さんも応援しています。基本的にシンバ役者が好きです。

好きなミュージカル・お芝居

・特にお気に入りの作品
ミス・サイゴン、風を結んで、AKURO-悪路-、回転木馬(2009年版)、スペリング・ビー、愛と青春の宝塚、冒険者たち(2013年版)

・その他の大好きな作品

ライオンキング、美女と野獣、砂の戦士たち、
タック、OUR HOUSE、空中ブランコ、

・坂元さん出演作以外

マンマ・ミーア、回転木馬(95年東宝版CD・涼風盤)、プロデューサーズ(映画)、星の王子さま・リトルプリンス(音楽座)、Wicked

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